マルチクラウドとは?ハイブリッドクラウドとの違いや選び方を解説

2023年03月29日掲載

マルチクラウドとは?ハイブリッドクラウドとの違いや選び方を解説

読了まで6分

近年急速な拡大を遂げているクラウド市場。なかでもトレンドとなりつつあるのが「マルチクラウド」です。本稿では「マルチクラウド」に関するメリット・デメリットをはじめ、マルチクラウド構築時のクラウドサービスの選び方などについて解説します。

目次

マルチクラウドとは?

マルチクラウドとは、複数のパブリッククラウドサービスを組み合わせたクラウドの利用形態を指します。現在、様々なクラウドサービスが提供されていますが、その中でも大きなシェアを持っているのが、以下の5つのサービスです。● Amazon Web Services(AWS)● Microsoft Azure● Google Cloud● IBM Cloud● Alibaba Cloudクラウドサービスが登場した当初は、AWSのみ、Azureのみなど、単一のクラウド事業者のパブリッククラウドを利用するケースがほとんどでしたが、最近は、複数のクラウド事業者のパブリッククラウドを組み合わせて利用する形態(=マルチクラウド)が一般的になっています。パブリッククラウドにはさまざまなサービス形態があり、AWSとIBM Cloudを利用しているケース(2種類のIaaSを利用)も、IaaSのAWSとSaaSのMicrosoft 365を利用しているケースもマルチクラウドに該当します。

マルチクラウドの必要性・必然性

自社に必要なクラウドサービスを最適に選んでいくと、必然的にマルチクラウドになります。なぜなら、個々のクラウドサービスによって、特長や強みが異なるからです。また、ユーザごとにサービスに求める機能や特長が異なるため、どの事業者のサービスを選択するかもユーザごとに変わります。たとえば、一つのクラウド事業者が自社の要望を満たすコンピューティングサービスを提供している一方で、別のクラウド事業者が同じく自社の要望を満たすデータストレージサービスを提供している場合、それぞれのサービスの強みを最大限に活用するためには、両方の事業者のサービスを組み合わせる必要があります。これが必然的にマルチクラウドになる理由です。

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違い

「マルチクラウド」と混同されがちなワードとして「ハイブリッドクラウド」があります。いずれも複数のクラウドサービスを利用する点では同じですが、パブリッククラウド同士の組み合わせである「マルチクラウド」に対し、「ハイブリッドクラウド」はパブリッククラウドとプライベートクラウド、あるいはパブリッククラウドとオンプレミスの併用を意味します。IaaSのAWSとSaaSのMicrosoft 365を利用しているケースで、オンブレミスも保有していれば、その企業はマルチクラウドユーザであると同時に、ハイブリッドクラウドユーザでもあるということになります。パブリッククラウドとプライベートクラウドについてはそれぞれ、「いまさら聞けない…」シリーズのコラムで解説しているのでそちら(パブリッククラウドのコラムを見る/プライベートクラウドのコラムを見る)をご覧ください。

マルチクラウドのメリット・デメリット

ここからはマルチクラウドのメリットとデメリットについて解説します。

マルチクラウドのメリット

マルチクラウドのメリットは主に3つあります。1つ目トは、自社に最適な機能や環境を実現できるという点です。前述したとおり、クラウドベンダは様々なサービスを提供しています。シングルクラウドの場合、同一ベンダのサービスを利用することになるため、必ずしも最適な環境とはならない可能性があります。マルチクラウドであれば、各クラウドベンダが提供するサービスから最も優れたものを選択できるため、自社に最適な機能や環境を実現可能です。2つ目は、ベンダロックインを防げるという点です。シングルクラウドの場合、特定のクラウドベンダに対する依存度がアップします。その結果、他のサービスの利用が難しくなったり、ランニングコストが上昇したりしがちです。マルチクラウドであれば、これらの問題も解決できるでしょう。3つ目は、リスクを分散できるという点です。クラウドサービスは耐障害性や可用性が高いという特長を有していますが、障害が発生しないわけではありません。実際にあるクラウドベンダが提供するクラウドサービスに大規模障害が発生し、様々な企業が被害を被ったこともあります。マルチクラウドであれば、1社のクラウドサービスが停止したとしても、他のクラウドサービスでデータを保全したり、アプリケーションを稼働させたりすることが可能です。

マルチクラウドのデメリット

一方でマルチクラウドのデメリットとして、管理が複雑になってしまう点が挙げられます。ここでいう「管理」とは、コスト面、運用面、セキュリティ面などを指します。マルチクラウドの場合、クラウドベンダによって異なる課金体系を把握しつつ、利用サービスのコストを管理する必要があります。運用面やセキュリティ面についても、それぞれのサービスに関する知見を有する人員の確保をはじめ、異なるセキュリティ面の制約などを踏まえつつマルチクラウド環境を構築・運用しなければなりません。

マルチクラウド導入・運用のポイント

マルチクラウドを構築する際、どのようにクラウドサービスを選定すればよいのでしょうか。最も重要なことは、クラウドサービスを導入する目的を明確にしておくという点です。自社の環境はどのような課題を有しているのか、その課題を解決する必要性はどのくらい高いのか次第で“本当にマルチクラウドが必要かどうか”が決まるからです。また、クラウドサービスを自社で直接契約するのか、パートナー企業と契約するのかも重要なポイントです。クラウドサービスの多くはパートナー企業による導入や運用の支援サービスを提供しており、自社で個別導入するのではなく、パートナー企業経由で複数のクラウドサービスを導入することで、請求や問合せ窓口を一本化することもできます。

まとめ

企業によるクラウドシフトが進むなかで、複数のパブリッククラウドを利用する“マルチクラウド”のケースがますます増えてくると思われます。その際、各サービスの特長・強みを理解した上で、適材適所でパブリッククラウドを導入することになりますが、パブリッククラウド間やパブリッククラウドとオンプレミス/プライベートクラウド間の連携開発が必要になります。また、個別に導入することで、管理や請求処理などが煩雑になるという問題も生じます。こうした課題に対し、ソフトバンクはワンストップでソリューションを提供します。AWS/Microsoft Azure/Google Cloudはもちろん、アジア市場で急成長中のAlibaba Cloudや、ベアメタルサービスやAIなど独自の強みを持つIBM Cloudなど主要クラウドサービスを取り扱い、クラウドを跨いだシステム連携のSIやセキュリティ対策、お客様拠点と各クラウドをつなぐネットワークまでをワンストップで提供。問い合わせや請求処理の一本化で業務効率化に貢献します。マルチクラウド時代の頼れるパートナーとして是非お気軽にご相談ください。